地域住民の活動、スポーツ・レクリエーションや文化・芸能活動などの各種団体の活動拠点、指定避難所としての防災拠点、地域の葬祭などに活用される直島町の多目的施設である。
体育館棟(ホール)と集会所棟(集会所)の2棟で構成される。
体育館棟(ホール)の屋根は総檜きの入母屋形状で、風穴が開いているのが特徴で、自然の風の力を利用して、ホール内の空気が循環する。
流体形の天井は漆喰、壁は土壁、体育室の床は総檜、その廻りは直島のにがりを使った三和土などの天然素材で構成されており、舞台は四国や瀬戸内海に多くみられる農村舞台、特に近世芸能の人形芝居の舞台小屋形式を継承し、香川県指定有形・無形民俗文化財の「直島女文楽」の練習場としても利用される。
集会所棟(集会所)の屋根は総檜の寄せ棟形状で、二重の通気屋根とトップライトで構成されており、雨からは守られ、空気は緩やかに通すつくり。
研修室、和室、調理室、トイレの四棟の建物が屋根の下に配置されており、研修室と和室は、天井内の地下水循環が特徴で、夏場に地下水が屋内を冷たく保つ手助けをし、直島の伝統的な形式に倣って南北に庭や縁(えん)を設け、風が抜けるつくりとなっている。
調理室は内縁を介して研修室にバリアフリーでつながっている。
庭園は広い苔庭と紅葉が特徴で、花見ができる巨大な枝垂れ桜(直島枝垂れ)があり、池に浮かぶ桟敷は屋外イベントのステージや、観劇の場として多目的に利用することができる。
作者は、周辺の風、水、太陽の動き等を2年半にわたり綿密に調査。
中世から脈々と受け継がれた自然に寄り添った直島の人々の暮らしの知恵と、街区や建物のつくりの美しさに注目、瀬戸内海の島では他には見られない直島固有の街路、水路と建物の平面構成を持っていることに注目。
百年の時を超えた直島の自然を表現したこの文化を、次の世代に継承したいという思いが設計に表現されており、建物のデザインは直島の風が建物の空気の循環を促し、その風は瀬戸内海の太陽が司り、直島の地下水が夏を涼しく、かつ緑を潤す、「風と水と太陽の島」直島の自然そのものであるとしている。
※ 瀬戸内国際芸術祭2019での内部公開は春・夏会期のみ。
地元の方から普段はママさんバレーの練習で使っている、ということを聞きました。
贅沢だなぁ。






直島ホール
アーティスト:三分一博志
作品No.:na08
料金:無料
休業日:月曜日 ※祝日の場合は営業、翌日休業
開館時間:10:00~16:00 ※外観は常時鑑賞可