2011年から取り組んでいる「The Naoshima Plan」は、直島にて、個々の建築や街区、水路などを通して島全体の風・水・太陽などの「動く素材」を浮き上がらせ、その美しさや大切さ、新たな価値を再認識してもらう試みである。
The Naoshima Plan 2019 「水」は、直島の本村地区にある旧家のリサーチを兼ねた体感型パヴィリオンからなる建築展である。
この旧家は本村集落の中心に位置し、江戸期には廻船業、明治期には郵便局として島民に親しまれてきた。
南北の庭と南北の続き間など、三分一が指摘した「集落の風のリレー」を可能にする本村の家屋の特徴を色濃く現代に残しているものの一つである。
これまで三分一は2013年には「風と水のコクピット」、2016年「直島ホール」と「直島の家−またべえ」公・民2つの建築では、主に屋根など建物上部を利用した空気と水の流れに着目し実践してきた。
今回の「水」は、建物下部の「動く素材」に着目し、新たに床や土地、地下水脈(井戸)利用と空気の流れに取り組むものである。
古くから本村には井戸水を集落の共有資源として大切に利用する「水のリレー」という美しい考え方が存在していた。
水を介した交流(井戸端)が再生され、水を中心とした「地球内部の動く素材」の価値を再認識できる場所にしたいと考えている。



The Naoshima Plan 2019「水」
アーティスト:三分一博志
作品No.:na07-B
料金:無料
休業日:月曜日 ※祝日の場合は営業、翌日休業、会期外は休館
開館時間:10:00~16:30